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クレーン点検の顧客管理と機器台帳の作り方|Excel項目例つき

公開: 2026年10月18日
クレーン点検の顧客管理と機器台帳の作り方|Excel項目例つき

クレーンの点検・修理を請け負う会社の台帳は、「顧客」「設置場所(工場・建屋)」「機器」「作業履歴」の4つに分けて持ち、機器1台を1行にするのが基本です。1枚のシートに全部を詰め込むと、工場が複数ある顧客や、同じ建屋に何台もある現場で行が重複し、次回点検の期限が追えなくなります。

この記事では、Excelで台帳を作るときのシート構成と項目例、入力ルール、すでにある報告書や見積の控えから台帳を起こす手順を順に説明します。

顧客と機器の台帳、作ったあとの更新まで回っていますか?

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点検業者に機器台帳が要る理由

クレーンの定期自主検査は、クレーンを使う事業者(お客様)の義務です。クレーン等安全規則では、1年以内ごとに1回の自主検査(第34条)と1月以内ごとに1回の自主検査(第35条)が定められ、結果は記録して3年間保存することになっています(第38条)。

点検を請け負う側から見ると、「どのお客様の、どの工場の、どの機器が、いつ期限を迎えるか」を把握しているかどうかで、次の仕事の段取りが決まります。担当者の手帳や記憶に頼っていると、次のようなことが起きます。

  • 担当者が休んだ・辞めたときに、点検の時期や現場の決まりごとが分からなくなる
  • 同じお客様から別の工場の依頼が来ても、過去の点検内容をすぐ出せない
  • 前回の指摘事項(要修理・経過観察)を次の点検で確認し忘れる

台帳は事務のための書類ではなく、点検の段取り・見積・提案の元になるデータです。最初に形を決めておくと、後で報告書や見積を作るときの転記が減ります。

台帳は4つのシートに分ける

1枚のシートに顧客名・住所・機器・点検日を横に並べると、工場が3か所あるお客様は会社情報を3回書くことになり、住所変更のたびに修正漏れが出ます。次のように1行の単位が違うものはシートを分け、IDでつなぎます。

シート1行の単位つなぐID
顧客取引先1社顧客ID
設置場所工場・建屋1か所場所ID(顧客IDを持つ)
機器クレーン・ホイスト1台機器ID(場所IDを持つ)
作業履歴点検・修理1回機器IDを持つ

IDは「C001」「P001」「E0001」のように種類ごとの記号と連番にし、一度振ったら振り直しません。行を並べ替えても、別のファイルから参照しても、同じ機器を指し続けられるからです。

Excelの項目例

顧客シート

項目入力例使い道
顧客IDC001他のシートとつなぐ
会社名(正式名称)株式会社〇〇製作所見積書・報告書の宛名
窓口の部署・担当者設備保全課 〇〇様日程調整の連絡先
電話・メール代表と担当者直通を分ける緊急時の連絡
請求先本社経理部工場と請求先が違う場合に必須
取引の形年間契約/都度依頼次回の案内の要否を判断

設置場所シート

項目入力例使い道
場所ID・顧客IDP001・C001顧客とつなぐ
工場名・建屋名第2工場 B棟機器の特定
住所番地まで移動時間・出張費の見積
入構の決まり入構証・安全教育の事前受講当日の待ち時間を防ぐ
作業できる時間土曜のみ・ライン停止日のみ日程の候補を絞る
停電・高所作業車停電は事前申請、高所作業車の乗り入れ可見積と段取り

機器シート

項目入力例使い道
機器ID・場所IDE0001・P001場所とつなぐ
お客様の呼び名2号機、西側ホイスト電話で話すときの特定
種類天井クレーン/ホイスト/ジブクレーン点検表の選択
メーカー・型式銘板どおりに記入部品の手配
つり上げ荷重2.8t法令上の区分、試験荷重の手配
製造番号・製造年銘板どおりに記入部品の適合確認、更新の検討
検査証の有効期限検査証がある機器のみ性能検査の時期
前回の年次・月次点検日日付型で入力次回期限の計算
申し送り前回「ブレーキ要調整」次回点検で必ず確認

つり上げ荷重は法令上の扱いを分ける基準にもなります。クレーン等安全規則はつり上げ荷重0.5t未満のクレーンには適用されません(第2条)。またつり上げ荷重3t以上(スタッカー式は1t以上)のクレーンは労働安全衛生法施行令第12条の特定機械等に当たり、検査証の有効期間(原則2年、クレーン等安全規則第10条)ごとに性能検査を受ける対象です。台帳に「区分」の列を作っておくと、点検の内容と期限の管理を分けやすくなります。

作業履歴シート

点検・修理の結果は、機器シートの横に列を足していくのではなく、作業1回を1行として別シートに積み上げます。項目は、機器ID・作業日・作業の種類(年次/月次/修理/部品交換)・総合判定・所見の要約・報告書のファイル名・見積番号程度で十分です。横に増やす作り方は、3年もたつと列が数十本になり、並べ替えも集計もできなくなります。

記録そのものの書き方は天井クレーン点検記録の書き方、点検表の様式は天井クレーン点検表のテンプレートも参考にしてください。

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表記ゆれを防ぐ入力ルール

台帳が使えなくなる原因の多くは、入力の仕方がそろっていないことです。作り始める前に、次のルールを決めて先頭のシートに書いておきます。

  1. 会社名は正式名称:「(株)」「株式会社」、前株・後株を統一する。略称はお客様の呼び名の列に分ける
  2. 日付は日付型:「R7.3」「3月上旬」のような文字では期限の計算ができない
  3. 選択肢はプルダウン:種類・作業の種類・判定は入力規則で選ばせる
  4. 1つのセルに1つの情報:「2.8t 2台」のように数量と荷重を同じセルに入れない
  5. 型式と製造番号は銘板どおり:ハイフンや全角・半角も銘板に合わせる
  6. 削除しない:撤去した機器は行を消さず、状態を「撤去済み」にする(過去の履歴が宙に浮かないように)

既存の書類から台帳を起こす手順

台帳をゼロから入力しようとすると、通常の仕事と並行できずに止まりがちです。手元にある書類から順に起こします。

  1. 過去1〜2年分の請求書・見積書の控えから顧客一覧を作る(取引のある会社が漏れなく出る)
  2. 点検報告書の控えから、設置場所と機器を拾う
  3. 型式・製造番号が分からない機器は空欄のままにして、次回点検のときに銘板を撮影して埋める
  4. 前回点検日を入れ、次回の期限を計算する(期限管理は次回点検日を取りこぼさない管理法で解説しています)

最初から全部の列を埋める必要はありません。顧客ID・機器ID・前回点検日だけでもそろえば、期限の一覧は作れます。空欄は現場に行くたびに埋めていけば、半年から1年でおおむね埋まります。

よくある質問

Q. 0.5t未満のホイストも台帳に入れるべきですか。
A. 入れておくことをおすすめします。クレーン等安全規則の適用外(第2条)ですが、お客様が点検を依頼してくる以上、作業の履歴は残ります。区分の列で法令の対象と分けておけば、期限の管理を混同しません。

Q. 作業履歴は何年分残せばよいですか。
A. 記録を3年間保存する義務(第38条)を負うのはお客様側です。点検業者として何年残すかは社内で決めることになりますが、部品の交換時期や修理の頻度を見て更新を提案するには、長く残しているほうが役に立ちます。

Q. 1社の工場が複数の県にあり、担当が分かれています。
A. 設置場所シートに担当者の列を足し、顧客シートは1社1行のままにします。会社単位で取引の全体を見たいときと、担当ごとに予定を組みたいときの両方に対応できます。

台帳をクラウドで持つ方法

Excelの台帳は、更新する人が1人のうちはうまく回ります。複数の担当者が同時に更新する、現場から確認したいといった段階になったら、クラウドの管理ツールを検討する時期です。

当サイトと同じ運営元が提供しているクレカンは、クレーンの点検・修理会社向けの管理ツールです。取引先・工場・連絡先・機器(型式、つり上げ荷重、製造番号、設置場所、設置日)を登録し、点検・修理の作業記録を機器ごとに積み上げられます。顧客・機器の一覧はExcelやCSVで書き出せます。

顧客と機器の情報が、担当者のExcelに散らばっていませんか。
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出典・参考

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