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クレーン点検の期限管理|次回点検日を取りこぼさない方法

公開: 2026年10月18日
クレーン点検の期限管理|次回点検日を取りこぼさない方法

クレーンの次回点検日は、「前回の実施日+周期」で機械的に計算し、期限の近い順に並べた一覧を決まった曜日に確認する仕組みにすると取りこぼしが減ります。周期は、年次の定期自主検査が1年以内ごとに1回(クレーン等安全規則第34条)、月次が1月以内ごとに1回(第35条)です。検査証のあるクレーンは、その有効期間(原則2年、第10条)ごとに性能検査があります。

この記事では、点検を請け負う会社の立場から、管理すべき期限の種類、Excelでの期限一覧の作り方、取りこぼしが起きる典型パターンを順に説明します。

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管理すべき期限の種類

クレーンにかかわる期限は1種類ではありません。どれを自社が請け負っているかを、お客様ごとに切り分けておくことが出発点です。

期限周期根拠(クレーン等安全規則)
年次の定期自主検査1年以内ごとに1回第34条
月次の定期自主検査1月以内ごとに1回第35条
性能検査(検査証の有効期間)原則2年第10条・第40条・第43条
暴風・地震の後の点検都度第37条
記録の保存3年間第38条

補足が3つあります。

  • 年次・月次とも、その期間を超えて使わないクレーンは、使わない期間については対象外です。ただし使用を再開するときに自主検査が必要です(第34条・第35条のただし書と第2項)。
  • 年次の自主検査では原則として荷重試験を行います(第34条第3項)。試験荷重の手配が必要になるため、期限の一覧に「荷重試験の要否」の列を作っておくと段取りがしやすくなります。
  • 性能検査の対象は、検査証が交付されるクレーンです。つり上げ荷重3t以上(スタッカー式は1t以上)のクレーンは労働安全衛生法施行令第12条の特定機械等に当たります。検査証の有効期間は、性能検査の結果により2年未満、または2年を超え3年以内の期間で更新されることもあります(第43条)。期限は検査証に書かれた日付で管理します。

暴風・地震後の点検(第37条)は、屋外のクレーンで瞬間風速が毎秒30mを超える風が吹いた後や、中震以上の地震の後に作業する場合に必要です。周期のある期限とは別に、大きな地震や台風の後にお客様へ確認の連絡を入れる運用にしておくと、依頼を受けたときに慌てずに済みます。

次回期限の決め方

「1年以内ごとに1回」は、前回から1年を超えないように実施するという意味です。期限ぎりぎりに予定を組むと、お客様の都合や雨天で日程がずれたときに期限を越えてしまいます。そこで、期限そのものと、社内で動き出す日を分けて管理します。

項目年次の例月次の例
前回の実施日3月10日6月5日
次回の期限(1年/1月を超えない日)翌年3月10日まで7月5日まで
お客様へ日程の相談を始める日期限の2か月前前月の点検のとき
実施の目標期限の1か月前まで毎月同じ週

日程の相談を始める日は一例です。年間契約のお客様は年間の予定表で先に日付を押さえ、都度依頼のお客様は早めに案内を出す、というようにお客様の形で変えます。

Excelでの期限一覧の作り方

機器台帳とは別に、期限の一覧シートを1枚作ります。1行は「機器1台×点検の種類1つ」です。同じ機器でも年次と月次は別の行にします。

列内容・計算式の例
A 機器ID台帳の機器IDと同じ
B 顧客・設置場所台帳から参照
C 点検の種類年次/月次/性能検査
D 前回の実施日日付型で入力
E 周期(月)年次は12、月次は1
F 次回の期限=EDATE(D2,E2)(性能検査は検査証の日付を直接入力)
G 残り日数=F2-TODAY()
H 状態=IF(G2<0,"期限切れ",IF(G2<=30,"30日以内","予定"))
I 日程お客様と決まった実施予定日

H列に条件付き書式で色を付け、G列の昇順で並べ替えれば、期限の近い機器が上に来る一覧になります。I列が空欄のまま「30日以内」になっている行が、今週動くべき対象です。

台帳の作り方はクレーン点検の顧客管理と機器台帳の作り方、お客様側から見た点検の管理はクレーン点検の管理方法もあわせて参考にしてください。

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取りこぼしが起きる典型パターン

  1. 実施日を一覧に戻していない:点検はしたのに前回の実施日が古いままで、期限切れと表示され続ける。逆に、表示を無視する癖がつくと本当の期限切れを見落とす
  2. 新しく設置された機器が一覧に入っていない:増設や移設の工事をした機器が、台帳にも一覧にも載っていない
  3. 休止中の機器の扱いが決まっていない:使わない期間は対象外でも、再開時の自主検査が必要なことを忘れる
  4. 月次を誰がやっているか曖昧:年次だけ請け負い、月次はお客様が自社で行う場合、その分担が台帳に書かれていない
  5. 性能検査の期限をお客様任せにしている:検査証の期限を自社でも把握していないと、性能検査の準備の依頼に対応できない

1番目を防ぐには、報告書を提出した日に、実施日を一覧へ戻すところまでを1つの作業にします。報告書の提出と台帳の更新を別の人・別の日にすると、ほぼ確実にずれが生まれます。

運用のルール

  • 一覧の確認は毎週同じ曜日に、決まった担当者が行う
  • 確認した結果、「30日以内」で日程が決まっていない行はお客様へ連絡する
  • 点検が終わったら、その日のうちに前回の実施日を更新する
  • 月に1回、一覧と台帳の行数が合っているかを確認する(機器の追加・撤去の反映漏れを見つける)

よくある質問

Q. お客様の点検期限を、点検業者が管理する義務はありますか。
A. 定期自主検査の義務を負うのはクレーンを使う事業者(お客様)です。ただ、点検を請け負う側が期限を把握して案内できれば、お客様の負担が減り、継続の依頼にもつながります。

Q. 季節によって数か月使わないクレーンの月次点検はどうなりますか。
A. 1月を超える期間使わないクレーンは、使わない期間について月次の自主検査は不要です(第35条第1項ただし書)。ただし使用を再開する際に、同条の事項について自主検査を行う必要があります(同条第2項)。一覧では「休止中」の状態を作り、再開の予定日を入れておくと漏れません。

Q. 期限を過ぎてしまった機器はどうすればよいですか。
A. お客様に状況を伝え、できるだけ早く実施します。実施した日から次の周期を数え直すことになるので、一覧の前回の実施日を必ず更新します。

期限の一覧を自動で作る方法

Excelの一覧は、前回の実施日を戻し忘れると正しく働きません。点検の記録を入力したら期限の一覧が自動で更新される形にしておけば、戻し忘れは起きにくくなります。

当サイトと同じ運営元が提供しているクレカンには、機器ごとの次回点検日を一覧で確認できる「点検ステータス」の画面があります。次回点検日は、前回の点検日と周期(機器ごと、または点検の種類ごとに設定)から計算され、手動で上書きもできます。一覧は「期限切れ」「30日以内」「それ以外」の順に、同じ区分の中では日付の近い順に並びます。期限が来たことを通知で知らせる仕組みではなく、この一覧を定期的に見て動く使い方になります。

次回の点検日、担当者の頭の中だけで管理していませんか。
クレカンについてのご質問は、運営へのお問い合わせフォームからお送りください。

出典・参考

  • クレーン等安全規則(第10条 検査証の有効期間、第34条・第35条 定期自主検査、第37条 暴風後等の点検、第38条 自主検査等の記録、第40条 性能検査、第43条 検査証の有効期間の更新)e-Gov法令検索
  • 労働安全衛生法施行令(第12条 特定機械等)e-Gov法令検索

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