天井クレーン点検表テンプレート|無料テンプレートと記入例を解説
天井クレーン点検表テンプレート|無料テンプレートと記入例を解説
天井クレーンの点検は法令で義務付けられており、点検表の作成と記録の保管が必須です。
しかし、「点検表はどう作ればよいのか?」「何を記載すべきか?」「無料で使えるテンプレートはないか?」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
点検表の不備は法令違反につながるリスクがあり、適切なテンプレートの活用と記録管理が重要です。
今回は、天井クレーン点検表のテンプレートを紹介し、無料テンプレートのリンクと記入例、運用時の注意点を詳しく解説します。
この記事でわかること
- 点検表テンプレートの役割と重要性
- 記載すべき必須項目と記入例
- 保存義務と運用時のポイント
- 無料テンプレートのダウンロード方法
天井クレーン点検表テンプレートの役割
天井クレーンの点検は、労働安全衛生法およびクレーン等安全規則により、定期自主検査の実施と記録の保管が義務付けられています。
そのため、点検表テンプレートを活用した体系的な記録管理が不可欠です。
点検表テンプレートを使用することで、以下のメリットが得られます:
- 点検項目の漏れを防止: 必須項目が明記されているため、重要な項目を見落とすことなく、確実に点検を実施できる
- 記録の標準化: 担当者が変わっても、同じ形式で記録を残せるため、管理が容易になる
- 法令遵守の証明: 労基署の立入検査時に、適切な点検を実施していることを証明できる
- 作業時間の短縮: テンプレートに沿って記入するだけで、記録作成が迅速になる
- 異常の早期発見: 定期的な記録により、不具合の傾向を把握し、重大事故を未然に防げる
「手書きで適当に記録している」という状態では、重要な項目の見落としや記録の不備が発生し、法令違反となるリスクがあります。
点検表テンプレートを活用することで、安全で確実な点検体制と法令遵守を実現できます。
点検表に記載すべき必須項目
天井クレーンの点検表には、法令で定められた必須項目を漏れなく記載する必要があります。
以下に、日常点検(始業前点検)と月次点検(定期自主検査)の必須項目をまとめます。
日常点検(始業前点検)表の必須項目
クレーン等安全規則第36条により、使用開始前の点検が義務付けられています。
点検表には、以下の項目を記載します:
- 点検実施日時: 点検を実施した年月日と時刻
- 点検者氏名: 点検を実施した者の氏名と印
- 機械名称・型式・管理番号: 点検対象のクレーンの識別情報
- 巻過防止装置の機能: 動作確認の結果(良好・不良・処理済)
- ブレーキ、クラッチの機能: 動作確認の結果
- コントローラー(操作押しボタンも含む)の機能: 動作確認の結果
- ランウェイの上及びトロリーが走行するレールの状態(走行路): 異常の有無
- ワイヤーロープが通っている箇所の状態: 異常の有無
- 過負荷警報装置、その他警報装置の機能: 動作確認の結果
- ワイヤーロープ等の異常の有無: 損傷・切断・よじれ・錆の有無
- アースの状態、漏電遮断器の作動状態及び電線類の損傷の有無: 異常の有無
- 異常時の処理内容: 異常が発見された場合の対応内容
異常を認めたときは、直ちに補修しなければならないため、異常発見時の対応も必ず記録します。
月次点検(定期自主検査)表の必須項目
クレーン等安全規則により、1か月以内ごとに1回以上の定期自主検査が義務付けられています。
点検表には、以下の項目を記載します:
【基本情報】
- 機械名称・型式・管理番号又は製番: 点検対象のクレーンの識別情報
- 入場年月日: クレーンを設置した年月日
- 検査年月日: 点検を実施した年月日
- 検査者氏名: 点検を実施した者の氏名と印
- 総合所見: 点検全体の総合的な評価
【点検項目と結果】
- 巻過防止装置、その他の安全装置の異常の有無: 検査方法(目視、操作)、結果、措置、補修等の内容
- 過負荷警報装置、その他警報装置の異常の有無: 検査方法、結果、措置、補修等の内容
- ブレーキ及びクラッチの異常の有無: 検査方法(目視、操作)、結果、措置、補修等の内容
- ワイヤーロープ及びつりチェーンの損傷の有無: 検査方法(目視、ノギス)、結果、措置、補修等の内容
- フック、グラブパケット等のつり具の損傷の有無: 検査方法(目視、スケール、探傷器、テストハンマー)、結果、措置、補修等の内容
- 配線、配電盤の異常の有無: 検査方法(目視、メガー、テスター、操作)、結果、措置、補修等の内容
- 集電装置の異常の有無: 検査方法(目視、メガー、テスター、操作)、結果、措置、補修等の内容
- 開閉器の異常の有無: 検査方法(目視、メガー、テスター、操作)、結果、措置、補修等の内容
- コントローラーの異常の有無: 検査方法(目視、メガー、テスター、操作)、結果、措置、補修等の内容
- 結果記号: 良好・不良の記号(○、×など)
- 損害の有無等: 異常が発見された場合の詳細
- 補修等の内容: 補修・修理を実施した場合の内容
各項目について、検査方法、結果、措置、補修等の内容を明確に記録することが重要です。
点検表の記入例
以下に、実際の点検表の記入例を示します。
日常点検(始業前点検)表の記入例
点検実施日時: 2025年1月15日 8時00分
点検者氏名: 山田 太郎(印)
機械名称: 天井クレーン
型式: TC-5t
管理番号: TC-001
点検結果:
- 巻過防止装置の機能:良好(○)
- ブレーキ、クラッチの機能:良好(○)
- コントローラーの機能:良好(○)
- ランウェイの上及びトロリーが走行するレールの状態:良好(○)
- ワイヤーロープが通っている箇所の状態:良好(○)
- 過負荷警報装置の機能:良好(○)
- ワイヤーロープ等の異常の有無:異常なし(○)
- アースの状態、漏電遮断器の作動状態及び電線類の損傷の有無:異常なし(○)
異常時の処理: 異常なし
月次点検(定期自主検査)表の記入例
機械名称: 天井クレーン
型式: TC-5t
管理番号: TC-001
入場年月日: 2020年4月1日
検査年月日: 2025年1月15日
検査者氏名: 佐藤 花子(印)
点検結果(一部抜粋):
- 巻過防止装置、その他の安全装置の異常の有無:
検査方法:目視、操作
結果:良好(○)
措置:なし
補修等の内容:なし - ブレーキ及びクラッチの異常の有無:
検査方法:目視、操作
結果:良好(○)
措置:なし
補修等の内容:なし - ワイヤーロープ及びつりチェーンの損傷の有無:
検査方法:目視、ノギス
結果:良好(○)
措置:なし
補修等の内容:なし - フック、グラブパケット等のつり具の損傷の有無:
検査方法:目視、スケール
結果:要注意(△)
措置:フックの開口部がわずかに拡大しているが、使用可能範囲内
補修等の内容:次回点検時に再確認予定
総合所見: 全体的に良好な状態を維持している。フックの開口部については、次回点検時に詳細確認を実施する。
保存義務と運用ポイント
天井クレーンの点検表は、労働安全衛生法およびクレーン等安全規則により、記録の作成と保管が法的に義務付けられています。
保存義務の詳細
労働安全衛生法により、事業者は定期自主検査の結果を記録し、保管する義務があります。
月次点検(定期自主検査)と年次点検(年次自主検査)の記録は、3年間の保管が義務付けられています。
保存期間: 3年間(点検実施日から起算)
保存方法: 紙媒体または電子媒体(いずれも可)
保存場所: 事業場内または事業場外(いずれも可、ただし立入検査時に提示できる場所)
日常点検(始業前点検)の記録についても、法令上は保存義務はありませんが、安全管理の観点から保存することが推奨されます。
運用時のポイント
点検表を効果的に運用するためには、以下のポイントに注意します:
【記録の正確性】
- 点検実施後、速やかに記録: 点検実施後、記憶が鮮明なうちに記録を作成する
- 記録の改ざんを防止: 記録は正確に記入し、後から改ざんしない
- 異常時の詳細記録: 異常が発見された場合は、部位・内容・対応方法を詳細に記録する
【記録の管理】
- 整理と保管: 点検表は日付順に整理し、3年間確実に保管する
- バックアップの作成: 電子媒体で管理する場合は、定期的にバックアップを取る
- アクセスの容易性: 立入検査時にすぐに提示できるよう、アクセスしやすい場所に保管する
【記録の活用】
- 傾向分析: 過去の記録を分析し、不具合の傾向を把握する
- 予防保全: 記録から不具合の兆候を早期に発見し、予防保全を実施する
- 教育・訓練: 記録を教育・訓練の教材として活用する
点検表は、単なる記録ではなく、安全確保と法令遵守のための重要なツールとして活用することが重要です。
無料テンプレートのダウンロード
天井クレーンの点検表テンプレートは、厚生労働省の各労働局が提供している無料のテンプレートを活用できます。
厚生労働省 山口労働局が提供している「クレーン等定期自主検査表(1ヶ月以内ごとに1回)」と「クレーン等始業前点検表」のテンプレート(PDF形式)が、以下のURLからダウンロードできます:
クレーン等定期自主検査表・始業前点検表テンプレート(PDF)
このテンプレートには、以下の内容が含まれています:
- 月次点検(定期自主検査)表: 1か月以内ごとに1回実施する点検用のテンプレート
- 日常点検(始業前点検)表: 使用開始前の点検用のテンプレート
- 記載すべき必須項目: 法令で定められた点検項目が明記されている
- 記入例: 記入方法の参考となる情報が含まれている
このテンプレートを印刷して使用するか、PDFをExcelやWordに変換してカスタマイズすることで、現場に合わせた点検表を作成できます。
テンプレートの活用方法
ダウンロードしたテンプレートは、以下の方法で活用できます:
- そのまま使用: PDFを印刷して、手書きで記入する
- Excelに変換: PDFをExcelに変換し、デジタルで記入・管理する
- カスタマイズ: 現場の状況に合わせて、項目を追加・削除する
- 電子化: タブレットやスマートフォンで記入し、クラウドで管理する
テンプレートを活用することで、法令に準拠した点検表を効率的に作成でき、記録管理の負担を軽減できます。
まとめ:点検表テンプレートを活用した安全な点検体制を構築しましょう
天井クレーンの点検は、適切な点検表テンプレートを活用することで、確実で効率的な記録管理が可能になります。
厚生労働省が提供している無料テンプレートを活用し、法令で定められた必須項目を漏れなく記載することで、安全確保と法令遵守の両立を実現できます。
点検表の適切な作成と記録管理により、従業員の安全を守り、生産ラインを止めず、法令を遵守した安定した工場運営を実現できます。
【無料】お見積りはこちら!
ログイン
