クレーン用語集

クレーン用語集
工場や建設現場で欠かせない天井クレーンや各種クレーン。
日々の作業や点検・保守において、専門用語を正しく理解しているかどうかが安全性や効率性を大きく左右します。
「ガーダとエンドキャリッジの違いが分からない」「作業半径って何?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事では、クレーンの現場で頻繁に使われる基本用語を分かりやすく解説し、現場スタッフや導入検討中の担当者にも役立つ知識をご紹介します。
この記事を読めば分かること
- 「ガーダ」「トロリ」「巻上げ」などの基本構造用語
- 「揚程」「作業半径」など運用に関わる概念
- 「安全荷重」「リミットスイッチ」などの安全関連用語
- 業界共通で使われる操作や装置の専門用語
寄り
天井クレーンなどの吊り具が横行したときの停止位置と、走行レール中心間の最小水平距離を指します。
吊り荷がどこまで端に寄れるかを示す重要な指標であり、設計段階での考慮が必要です。
キャンバー
ガーダ(桁)が荷を吊った際に下垂しないよう、あらかじめ上向きにそらせて製造される構造です。
特に長スパンのガーダでは、たわみを予測し「キャンバー」を付けることで荷重に耐えます。
ジブ及び傾斜角
ジブとは、クレーン本体から突き出した腕状の部分を指します。
傾斜角とは、ジブと水平面との角度であり、作業半径や吊り高さに大きく影響します。
傾斜角が大きいほど半径が狭くなり、小さいほど広くなります。
起伏
クレーンのジブが支点を中心に上下する動きです。
吊り荷を上下に移動させるための基本的な運動機構であり、高所作業や狭小地で特に重要です。
作業半径
クレーンの旋回中心から吊り具の中心までの水平距離です。
作業可能範囲の設定や配置計画において、最も基礎的かつ重要な距離です。
作業範囲
クレーンが吊り荷を移動できる領域全体です。
巻上げ・横行・走行・旋回などすべての動作を組み合わせて決定されます。
揚程
クレーンが吊り荷を上下できる垂直距離です。
フックやバケットの上下移動限界を示し、安全上、ドラムには最下部でも最低限の巻数(捨巻き)が必要です。
定格速度
クレーンが定格荷重を吊った状態で各動作を行う際の最大速度です。
速度と安全性のバランスを考慮して設計されています。